いちかん ちいき通信 2016年秋号

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KOBE CITY COLLEGE OF NURSING市看×いちかんちいき通信2016年 秋号2016年9月10日 発行COC事業ニュースレター‘錯 覚’神戸市看護大学 事務局長 丸一功光落語が好き。お馴染みの長屋の八つぁん、熊さん、夜鳴きそば屋おまけに幽霊まで登場する。この煩わしくて面倒な人々が、小さな事件を起こしては大騒ぎをしながら生き生きと暮らしている。そんな世界をしばし覗き見するのだが、年に2,3回演芸場に足を運ぶ程度では、たいした満腹感も得られない。 そこで、高度情報化社会を生きる私は、大胆にも、この落語をスマホやパソコンを頼りに何とか楽しめないかチャレンジするのだが、未だに成功したためしはない。兎も角おもしろくない。“どうしたもんじゃろのう”とNHKの朝ドラの主人公のごとくため息をつく始末だ。 もやもやしているうちに、茶道裏千家家元・千宗室さんのあるご講演の 今号の内容 いちかん…神戸市看護大学の略称「市看」     「(い)っしょに (ち)いきづくりについて (かん)がえる」をコンセプトにしています。P1・‘錯覚’・COCコラボ教育ピックアップP2~3 COCフォーラム・地域の顔 (須磨区菅の台地区桝本辰夫さん)・地域つくり・健康つくり (まちづくりスポット神戸向山良子さん)・コラボ教育での学び(編入3年生 苫田ひとみ)・COC研究ひろば第7回(地域・在宅看護学 波田弥生)P4活動予定 COCコラボ教育ピックアップ 〜2016年春から夏「健康学習論」〜 3年生を対象に公衆衛生看護の活動の一つである、集団を対象に科学的根拠に基づいた健康教育・健康学習の企画・実施・評価の一連の過程を学ぶ、「健康学習論」を開講しています。学生たちが企画した健康教育に教育ボランティアの方に参加いただき、本学と須磨区の2ヶ所に分かれて実施しました(トップページ写真は、その模様)。須磨区では10名の住民の方に参加いただき、「ストレッチでストレス解消」「睡眠時無呼吸症候群」「転倒予防」の3つのテーマで発表を行いました。教育ボランティアの方は、学生が実施する運動を一緒に行なったり、説明をメモしておられ、健康教育の実際をしっかり体験できたと思います。「近い将来医療に携わってくれる人たちとお会いして、ホッとしました」「基礎的なことを理解できた」などの感想をいただきました。(神戸市看護大学 地域連携教育・研究センター准教授 相原洋子)記事が目に入った。「私たちには‘錯覚’もあります。高度になった情報化社会に携わる私自身は、高度にはなっていないのです。」そうだ、演芸場の臨場感、自分の楽しみまでスマホ、パソコンに売り渡すことはないのです。いかに演芸場に足を運ぶかの工夫に方向転換だ。 さて、「(い)っしょに(ち)いきづくりについて(かん)がえる」は、この陥りやすい‘錯覚’を克服する約束のキーワードだと思う。COC事業、今後本格化するCOC+事業による実体験が、高度情報化社会に埋没することなく、忘れがちな工夫を取り戻し、必要な集中力によって何を付け加えたらよいのか分かってくると、いちかん(市看)のメンバーのひとりとして自分自身にも言いたい。COCフォ私が住んでいる地域は 450世帯あり、民生委員として見守りをしている方はそのうち約 85名で、高齢夫婦世帯や 1人暮らしの方々です。その方々の多くは、買い物や食事のことなど自分の身の回りのことはできる人ばかりですが、私が声をかけにいきますと皆様とても喜んでくださり、また私にとっても励みになっています。中には 1ヶ月ほど誰とも話しをしておらず、「テレビと話すだけだから、私の話す声がとても嬉しい」と言ってくれます。家族や親戚などとうまく連絡がついていないのでは、と感じています。   高齢の方が自分自身のことをできるだけ自分で行なっていくには、新聞・テレビや地域だよりを見ていろんな情報を知ることが大切です。名谷あんしんすこやかセンターの介護リフレッシュ教室に参加して、在宅で認知症や脳梗塞で身体が上手く機能できない方を介護されているご家族に、日ごろの介護上の悩みや体験を聞きにいっています。その多くは男性の悩みです。高齢の男性の多くは、若いころに家事の手伝いをしてこなかったことで、家の中のことが出来ないということです。今は若い夫婦が買い物などを一緒にしている風景をよく見かけ、とても協力的だと思っています。世の中は後期高齢者のことばかり取りあげて、若い世代が高齢化社会をどう乗り越えいくかが大きな課題となっています。しかし高齢者が若い世代から見習うこともあると思います。 私自身は現在69歳で、見守りの対象の方は72歳以上ですが、年齢の近い方も多くおられます。自分が若いときは年をとったらといろいろな計画を立てていましたが、年齢を重ねた今、1日1日を大切に生きていこうと思っています。まちづくりスポット神戸マネージャー 向山良子『まちづくりスポット神戸』(以下、まちスポ神戸)は、地域住民による地域課題解決のための活動をサポートする目的で、垂水区の商業施設「BRANCH神戸学園都市」に2013年12月にオープン。大和リース株式会社と認定NPO法人CS神戸が協働で運営しています。 1日平均50人が訪れ、買い物ついでに何気なく立ち寄る方から「自分も何かしたい!」と地域活動に高い関心を持つ方まで、行政枠や世代を超え、多様な層が来館します。 まちスポ神戸では、さまざまな講座を開催し、地域活動の相談、子育て支援事業、大学連携事業などに取り組んでいます。 大学連携事業として、出張ゼミや共同企画の講座、音楽サークルのみなさんによるカレッジ音楽祭の開催のほか、「学生コミュニティ活動応援助成」を設置し、地域活動を行なう学生サークルを支援しています。7月8日には、神戸市看護大学図書館ツアーを実施し参加者17名が、貴重な文献や実習施設を見学させていただき、「看護大がとても身近に感じられた。」との声が寄せられました。 講座では、ニーズに応じて、気軽に参加できる「まちそだてサロン」、活動の担い手育成を目指す「まちそだて講座(本科)」、専門家の指導による「まちそだて講座(専科)」の3つの枠組みで実施しています。講座修了生が次のステップに向かえるよう、相談に応じ、活動のあとおしをして、現在、登録団体は53団体となっています。 また、高齢化社会という課題に向け、「神戸市生活支援・介護サポーター養成研修」や「居場所サポーター養成講座」を開催し、健康寿命の延伸や地域の担い手づくりに特に力を注いでいます。「最後まで安心して暮らすことのできる地域づくり」に貢献できるよう、商業施設をプラットフォームとした「まちそだて」に取り組んでいます。■地域の顔~民生委員として高齢者の生活について感じたこと~神戸市看護大学COC菅の台地区ふれあい給食毎月第4火曜日に実施 筆者は右端■地域つくり・健康つくり 安心して暮らし続けられる地域づくりに向けて居場所サポーター養成講座2016年2月に全3回実施し、15人の方が参加された須磨区菅の台 7丁目民生委員 桝本辰夫ーラムちいき通信 2016年秋号私は以前から、疾患を抱える方の御家族や近隣住民の方々など、地域で生活する方への健康教育に関心を持っていたのですが、これまでの看護師経験の中で健康な方を対象とした学習会を企画したことはありませんでした。今回、健康学習論の授業の一環として、地域ボランティアの方を対象に健康教育を行う機会があり、地域ボランティアの方々の率直な意見や感想、一緒に企画した学生メンバーとの情報交換によって、多くの学びを得ることができました。 地域住民の方は、生活環境や習慣、おかれている立場や健康状態など、背景がそれぞれに異なります。多忙な毎日の中で自分の健康について考え、食事や運動などに気を配りながら生活をされている方は、まだまだ多くありません。まずは自分自身の健康について考え、日々の生活を振り返る機会をもっていただくことが大切だと思います。看護師の視点からは、様々な方の健康リスクを偏りのない広い視野で捉えていく必要があります。そして住民の方に、より興味を持っていただける方法で、分かりやすく問題提起を行っていく取り組みが必要です。そのために、今回の演習での学びからその重要性を認識した5つの項目、すなわち①「看護師間や他職種間での情報共有、情報交換によって、多角的に問題を把握する」②「地域住民の背景を知り、根拠に基づく対象理解によって、教育の必要性と目的を明確にする」③「対象に合わせた説明や表示内容など、分かりやすい伝達方法を駆使する」④「柔軟な思考力と行動力によって、起こり得る可能性に幅広く対応できるよう備える」⑤「継続教育のための効果的な評価方法を検討し、行動や与えた影響の評価を行う」を実践しながら、より多くの方の健康意識の向上と、健康的な日常生活の継続のために取り組んでいきたいと思います。■コラボ教育での学び ~地域住民の健康意識を高めるために必要なこと~■COC研究ひろば 第7回~地域における健康づくり活動を続ける健康づくりリーダーの力~後編神戸市看護大学 地域・在宅看護学分野 講師 波田弥生前回(2016年春号)は、須磨区における健康づくりリーダーの皆さんが、それぞれの地域で実施されている「健康づくり活動」についてお伝えしました。今回は、COC共同事業として、その活動に参加されている方々の健康への効果と、これらの活動を継続されている要因について、須磨区役所と共に調査をおこないましたので、結果の一部を紹介します。 2014年に、健康づくり活動に参加されたリーダーと参加者の皆様にアンケート調査をおこないました(回収率96.4%)。以下に概要を掲げます。 回答下さった方:189名(男性22名、女性167名、平均75歳、区内居住年数平均33年) 健康づくり活動参加により地域での交流の広がりを感じておられる方……92.6% ご自身が健康であると感じている方………………………………………87.9% 健康を意識した生活習慣を心がけている方……………………………81.8% 健康づくり活動について地域の方へ伝えて広めておられる方……………59.3% 健康づくり活動で得られた知識を地域の方へ伝えておられる方…………65.5%回答者の中でも、健康づくりリーダーの方々は、より健康に対する心がけを普段からされている傾向にありました。また、2015年に行った健康づくり活動を続けておられるリーダーの方々へのインタビュー調査では、これらの活動を長年続けて来られた理由として「参加者に楽しんでもらいたい」「自分も楽しんで参加している」「自分が健康であることを地域へ還元したい」、「健康づくりに力を入れている区役所と共に活動している意識がある」等のお話しをうかがいました。 このように、健康づくり活動へ参加されている皆様は、身体的な健康の維持増進と、地域の方々との結びつきも広げておられました。そして、リーダーの方々は、参加される方々が楽しめるよう工夫を重ねられており、熱い思いをもって活動を継続されていました。私自身もアンケート調査やインタビューでお会いした方々から、とても元気をいただきました。これからも、これらの活動を続けていくこと、そして活動継承にむけたご提案ができればと考えています。活動の様子健康学習論での学外学習(北須磨支所保健福祉課事業室にて)神戸市看護大学 編入3年生 苫田ひとみ神戸市看護大学COCちいき通信 2016年秋号活定動10月コラボ教育「睡眠を見直そう」生活リズムやよく眠るための工夫について講義・懇談を行います日にち:5日(水) 10:20~12:00場所:須磨パティオホール(参加無料/定員30名)COC+3大学合同報告会日にち:15日(土) 13:00~17:00場所:園田学園女子大学11月2016年度市民公開講座「震災を乗り越えた神戸からの発信」日にち:12日(土) 13:00~17:00場所:須磨区役所多目的室(参加無料/定員200名)12月2016年度シンポジウム「在宅ケアのつながる力を育む」在宅医療をすすめるための多職種連携日にち:3日(土) 午後場所:神戸市看護大学ホール(参加無料/定員500名)コラボ教育「ヘルスプロモーション論」5日(月) 9:20~10:00場所:ユニティ  10月から12月にかけてイベントが続きます。10月15日(土)はCOC+3大学合同報告会において、3大学の学生が一堂に会し意見交換会を行います。11月12日は市民公開講座を開催します。「震災を乗り越えた神戸からの発信~『人・地域』のつながり~」をテーマに、市民を交えたパネルディスカッションを行います。12月3日は「在宅ケアのつながる力をはぐくむ」をテーマにシンポジウムを開催します。多彩な専門職をお迎えし、多職種連携についてディスカッションを行います。「実りの秋」といいますが、皆様にとってきっと「実り多き時間」になると思いますので、せひご参加ください。お知らせCOC編集部門のつぶやき 我が家に数匹のナメクジがやってきた。野菜に小さいのが続けざまに紛れ込んできて、しばしのつもりでカップに入れたのがきっかけだ。敬遠されがちな生物だが、観察していると1匹ごとに個性があり面白い。興味を惹かれ調べてみると、陸貝であるカタツムリが「殻」を失うことでナメクジになったようだ。ナメクジが進化して殻を得たのがカタツムリでないのが意外だが、陸上で殻を維持するためカルシウムを摂取する労力を考えると成る程と思える。安全な鎧を捨ててまで身軽さや自由を選んだとも言えるが、確かにうちのもゆっくりだが身軽に動き回っている。足立則夫氏は「ナメクジの言い分」(岩波書店)中で「ナメクジに学ぶ」と題して、見せかけの殻を徐々に脱ぎ去ってゆったりと自在に生きる事を提案している。そうすれば、本質よりも量や形式を追って疲弊しがちな日常を変えていけるかもしれない。さて、お知らせですが、「ちいき通信」は季刊から春秋の発行に変わりました。年2回と回数は少なくなりますが、今後ともご協力よろしくお願いいたします。 (COC編集部門・AF)発行所:  〒651-2103 神戸市西区学園西町3丁目4番地 TEL:078(794)8048問い合わせ先:kangococ@tr.kobe-ccn.ac.jp平成28年度 第310号(広報印刷物規格 B-1類)COLLEGE OF NURSING KOBE CITY 予地域連携教育・研究センター各催事の参加申込みについては、地域連携教育・研究センターまでご連絡ください